編(アム)

30代半ばの留学してる話

怒りの根源は共感の不在?

当たり前といえば当たり前なのですが、セクハラっぽい発言に異様に腹が立ったので、何故なのか自分なりに考えました。

 

事の発端は、詳しく言うと発言した本人の不利益になるため、またその不利益を私は求めていないため、ちょっとフィクションを加えて説明します。

 

仕事の関係者とほぼプライベートな話をしていた時に、「女子が◯◯しているのを(性的に燃えることとして)意識しないようにするのが大変」という発言がありました。

 

自分が対象の発言じゃないし(あたい女子じゃない笑)、その場には他の方もいて、その発言は私に対してのものではありませんでした。

 

でもそれを聞いた私は「キモ!!」と引いて、同席していた他の方に後ほど「あの発言を私たちにしたのが許せないんです」とメッセージをしました。するとその方は「確かに自分に関してあんな発言されたらトラウマものだ」と返事をくれましたが、私の「私をどーにかするための発言ではないのに異様にキモい」という気持ちの共有には至っていないなと思わされました。

 

そこで突き詰めたところ、他のエピソードを思い出しました。

 

痴漢に遭ったことがないという、女にしてはとてもラッキーな経歴を持つ私ですが、それと非モテが相まって「私は女として見られない」という前提が身についていた24歳くらいの私に起こった不快でした(女として見ることと痴漢が同義だという意味ではありません。一時期同義に考えていたアホな時期もありましたが)。

 

当時の男性上司と就業時間後にエレベーターが一緒になった際、彼は「最近眠くて仕方がない。夜寝る時も本とかを読もうとしてもすぐに寝てしまう」と言いました。そして「あなたが隣で寝てくれていたらギラギラするのに」と言ったのです。

 

私は当時、セクハラ発言にいちいち目くじらを立てることを「かっこ悪いこと」と思う傾向にあり、とっさに「えー逆に魅力がなさすぎてさらに入眠が促進されるかもですよー」とか返したように思います。

 

その発言について深く傷付いたのに。

それからもその職場を去る間際まで、その出来事を誰にも言うことができませんでした。

 

何故傷付き、ただのエレベータートークを誰にも打ち明けられなかったのか。

今回の怒りと当時の傷付きに関連しているのは、私を隣で寝る存在として見る人間がいるのかという驚きと、「そのような発言を私にしても許されると思われていることがショック」ということです。

 

当時の上司は仕事に厳しく、家族を愛し、みんなに信頼される人でした。仕事中も飲み会でも、パワハラはあってもセクハラは一切なく、パートナー以外に性的なアテンションを払うことについて発言するというのが、私の中の彼の像の枠を超えていたのだと思います。そんな彼が「あなたが隣で寝ていたら」発言をしたことを知った時、意外だし気持ち悪いし、他の人に伝えた時もかなりのショックをもたらしました。

 

一方、今回の仕事の関係者は、単身赴任をしているから家族と会えず欲求不満なのか何なのか、そういう発言も以前からチラホラと聞かれていました。でも、だからといって何で私がその発言のオーディエンスにならないといけないの?と私が違和感を持っていることが原因だと気付きました。私、あなたの欲求不満に付き合う筋合いありませんけど、と。

 

でもこの問題はとても難しいです。私だって誰かのことを面白おかしく言ったりその人について愚痴ったり、そしてそれを聞いた人の心に重い鉛をもたらしている可能性です(単細胞のドラマクイーンなので)。

 

当たり前です、その発言が共感を呼んでいないので。これらの発言をした人達は、その発言をしてもいいという前提で話しているのに、その前提は相手にとっては存在しないものなのです。

 

この結論は「そりゃそやろ」なもので、セクハラ関係なく全ての発言に適用されるものです。それと同類かと思ったのは、歩きタバコと走りタバコが許せない件。

 

私も元喫煙者としてタバコに文句を言う権利はないかもしれませんが、辞めた今、知らない誰かのタバコの煙を吸うのが本当に嫌です。

 

特に歩きタバコと走りタバコ。何で自らが歩いた/自転車や自動車で走った軌跡に副流煙残すの?と。

 

特に私が今住んでいる地域はそれが多く、小さな駅からの一本道、1回の電車から降りて帰宅する50人近くが歩く道で、先日はわざわざ一番に改札から出て、先頭を切って歩きタバコをする人を見かけました。走って抜かしましたけど。

 

吸ってる本人からしたら、満員電車から降りてやっと吸える命の煙ですよね。わかるわかる。でも

私がその煙のオーディエンスにならないといけない理由はどこにもない

 

それでセクハラ発言も、歩きタバコや走りタバコの副流煙も、それをしていいという共感をしていないから腹が立った、傷付いた、キモかった、と言えるのではないでしょうか。ハラワタが煮え切る理由は私に選択肢が与えられていないことということがわかりました。

 

確かに夫のせいで行動に制限がかかるとか、めっちゃ嫌ですもの。。だから自由な仕事で自由な私生活を野生的に送っているんですね。納得納得。