編(アム)

オーストラリアでソーシャルワーカーになった中年の話

キャリア多動

今の児童保護の仕事は4か月ほどやってきましたが、先日とあるケースマネジメント職の募集が目に入ったのでノリでスポポーンと応募しました。どうせ経験が足りないから書類選考も通らんっしょーと思って。

 

応募する時には仕事ぶりや人となりを知る人に参考人(reference)になってもらうのですが、何も考えずに現職の上司を書いて提出した後に、「もしかして…万が一選考が進んだらバレるし…言いづらいけど本人に応募したことを伝えないと」と気付き、そのことをThreadsに呟いたら何故か色々な人のフィードに表示されてしまったらしく、私の過疎ッド(過疎っているスレッド)には珍しく下記コメントが。

 

採用試験うまくいくといいですね!レファレンスは一応前もってお願いしておくのがマナーかな~と思います

いや知ってるから投稿してん

 

オーストラリア?欧米ではCVやレジュメに書くのは普通ですよ。

うん知ってる

 

まぁ私の投稿が説明不足だったのかもしれないですけど、ほんまに何か「自分の方が知ってます」アピールしたくてしょうがない人がThreadsには溢れていますねーと思い投稿削除しました。教えてくれてありがとね!そういうツッコミ不要です!

 

ちなみに上司はめっちゃ応援してくれています。

同じ時期に始めた同期は疲弊気味で、ステークホルダーからの反発やケースロードの多さに対し不機嫌・精神不安定。私は今以上の「簡単な」ケースはあり得ないし相当恵まれているのですが、それでも私の仕事をやりにくくすることが仕事な人たちと毎日発生する問題に対応するのに疲れ気味です。もう少し続けたい気持ちもありますが、先週の金曜日に採用応募する気分になったんだから仕方がないwww

 

 

転職応募動機

  • 目標にしていた仕事の募集が出ていた

ソーシャルワークを学び始めてから目標としてきた分野での募集が出ていたのです。年度末だからか結構多く出ています。ちなみに転職できたら何の分野なのかここで書きたいと思います。

なお、応募書類がそこまで難しくなかったのも動機になりました。仕事をフルタイムとパートタイム(日本にいた時からしている)で週3日して毎日ヘトヘトなので、レジュメとカバーレターだけでよかったのは助かりました。多くの応募は「セレクションクライテリア(選考条件)に自分の経験やスキルがどれだけ合致しているかをエッセイにせよ」というものが多く、それだけで手が止まる…特に経験が足りないと自覚している時は応募書類に手がつかないものです。

  • 給与レンジ

今の仕事の給与が結構よくて(労働組合が頑張ってくれた!)、応募先の給与レンジだと今より少し下がることになります。もしこのまま現職で順調に給与が上がっていったら、応募先の給料では満足できないことになります。なのでやるなら今のうちでしょ~と。なお、もし転職できたとして、そこで数年働いても給与が上がらないようであれば、現職に戻る可能性も大いにありです。

  • 自分の市場価値を試したい

応募先の募集要項では「2年以上の福祉分野での経験」とあり、現職で2年頑張るぞ~と思っていた時期もあったのですが、先週の金曜日は「まあいいや、無視しよ」という気分だったのです。自分が目標としている職においてどれくらい評価される位置にあるのかを確認したいという気持ちもあり、応募した次第です。ちなみに書類選考は通ったようなので、私のソーシャルワーク外の経験もカウントしてくれたか、現職のケースマネジメントがタフギグ過ぎて「4か月も児童保護分野で働いたならいけるっしょ」と思ってくれたか。

  • 契約期間

現職は人気のサービスセンターなので、たくさんの職員が無期限雇用職員の補完要員として採用されています。私もその1人で、6月末に契約が終わったら数か月ごとの契約の更新になることが見込まれます。別にいいのですが、永住権の申請において「数か月しか雇用契約がない」というのは不利になると考えられることから、応募先の1年間の契約に惹かれたのです。これは上司に伝えました。

 

 

多動

私は数年で仕事や家に飽きてしまって、もはや国を超えた多動を展開しています(友人に「あんたも私も人生多動」と言われたのが面白かったのでここでその用語を使わせてもらいます)。大学卒業から20代後期時点で日本と国外での経験は半々の割合で、仕事は3つ経験していました。その時に「誰かに重しになってもらわないとずっと移動し続ける人生になっていまう」と思い婚活をして結婚をしましたが、結婚してからオーストラリアに来たので、夫、重しにならなかったwww

 

それにしては今も続けている日本ベースの仕事(国外駐在後に本部勤務をしていて、今パートタイムで海外事業・本部業務)は今年で10年続けたことになり、気が合う人と興味のある分野で自分のスキルが評価される職場というのは長く居心地が良いものだなと思わされます。その仕事を通じてソーシャルワークに興味を持てたし、ここまでずっと応援してきてくれた職場の人たちにも感謝でいっぱいです。

 

一応私の中にはGrit(「やり抜くチカラ」というらしい)があると自分では思っていて、中学の時に見た世界ウルルン滞在記東ちづるさんがドイツ国際平和村を訪れた回がその原点になっています。先進国と呼ばれる経済的・物質的に豊かな国にマジョリティとして生まれた責任、そしてその国際的位置に至るまでにどれだけ他の人を犠牲にしてきたのかということに対しての罪悪感が原動力となっています。

 

最初の2つの仕事では、国内外で仕事をするという経験を積むためにやっていたし(最初の仕事はヤバい搾取だった…っていうかフィリピン人に英語を話させるというのが植民地的で自分の正義感に引っかかったし自分も搾取された。2つ目の仕事は産業スパイと呼ばれていてマネジメントが頭おかしい会社だった、最後胃炎になって辞めたw)、その後オーストラリアでテキトーなワーホリをして、今の日本の職場に就職できたのは本当にラッキーです。この団体で仕事ができたから私の人生にGritが生まれ(それまでの2つの仕事での迷走にもreasoningができた)、自分が生きることにOKを出すことができました。そして、もっともっと!と欲が出てきました。

 

もっと勉強したい:日本の職場の人たちの多くは私以外修士を持っていて、国際協力プロジェクトに学術的視点を取り入れているのがカッコエェ~と素直に思いました。長いこと「何を勉強するの?」という自分の中での面接(笑)が続きましたが、ソーシャルワークに出会えて無事に勉強ができてよかったです。よかったです!(小学生の作文風)でも修士号を得、さらに無償実習1,000時間という苦難を乗り越えられたという自分の特権が増えてしまった。

 

日本から出たい:日本色々アレじゃないですか。国際協力やってる場合かよ?って。

 

もっと大変な人と働くことに特権を使いたい:日本の仕事はポジティブで社会をよくするし誰にも迷惑かけないっていう点で最高なのですが、自分の特権に気が付けば付くほど、「もっと苦しい人のためにこの特権を使わなければ…」という焦りにつながりました。

 

というわけで今ここにいるのですが、もし転職できてしまうと、数年単位で目指してきたことを仕事にできてしまうことになります。そうなると、、、私はその後何を「もっと欲しい」につなげて頑張ることができるのか?まだ転職してないのにもう不安wwwというのも、変化のない日々がこれからもずっと続くという考えが怖くて仕方ないのです(何で?父なんか転職1回もせず、ずっと同じまちに住んでるし、siblingも中学の同級生と結婚して地元に家買って高校の時のバイト先と同じ会社でずっと働いているぞ…母は結構転職してるけど、「普通」と「安定」が彼女のバリュー)。

 

もしかして子育てをしたらキャリア多動は止まるのか…子の成長そのものが多動なので、キャリア的な刺激や上昇は不要になるのかなと…でも私は子を産まないので、里親をするかなぁ。でも児童保護分野で働いてその大変さはよくわかるし、夫はそういう人じゃないもんなぁ~

 

というわけで、面接に向けて準備する週末です。